ひそやかな彼
私は躰を机の上に置いた
重力を下に預けている
物体だけ
物質に預けている
ソウルが舵を切る
ボクはあげた
ソウルにあげた
ボディをあげた
ソウルにあげた
ボクは先日気づいている
彼と話したので
『どこへいきたいの』
『なにをしたいの』
ボクは本日気づいている
ボクはこれまで 哲学者だった
悩んでいた
泣いていた
考えていた
いつも考えていた
いずれ あらゆる概念から解き放たれるから
そう言っていた
終わりがきたんだ
終わりなんだ
ボクは過去 哲学者だった
ボクは
彼を表現したいと思っている
彼の高潔と
愛にもとづく
だから旅に出る
自由の下
彼のもらす
言葉ひろう
言葉にはない
感覚をひろう
もっと知りたい
そして知らせたい
ひそやかな彼