Run
私は ここにいると
自分を 嫌いになる
私が
無知で 無能であることを
君が 泣いているのがみえる
君は ボクに気づかないで
ゆく回廊の レリーフになる
止まっていた時が終わって
君が はじまった時から
風になびく君の元から
風景が飛んでいく
ぱらぱらと
過ぎたところは畳まれる
ドミノみたいに
ああ
君というものを
信じているんだな
ボクは
こんなに透明な 儚い思いが
あるのだろうか
たとえば
どんなに手を伸ばしても
触れられはしない
どんなに慈しくても
その背を
辿るだけ
透明な 儚さがにじみ出して
これは君の
ソウルに達する
君へ伸びて
いずれ達する
淡い
蔓のように
ふり返った瞬間
空の呼吸
日の射す窓辺
花の群生
日陰の紅茶
エクリュの夢
つないだ手
温かさも 柔らかさもない
誰のものかも わからない
写真のような
記憶の中
誰かに呼ばれて
ふり向いた
私は 確かに
ふり向いたはず
後ろ姿を追ったけど
つかまえられずに逃げられた
森がそよぐ
風音の残して去った
カモミールがおじぎして
バケツの中で 泳いでる 。