2020-06-19 ■ その人が涙する時 ボクは、どうしたのかと訊きたかった。 あなたの祈りは見えるなら 幾千の緋燈となるのだろう。 そのたおやかな背に、触れたかった。 ボクに名前があるなら、名乗りたかった。 あなたに見えるのなら、よかった。 たなびく雲に 夕闇が織り交じる この 望遠のウテナで あなたと目が合うのなら、よかった。 ボクに問いを。 あなたへ問いを。 ボクに問いを。 終わりなき問いを。 その祈緋燈が ただいまと おやすみのようにほっとする このマホウの空へと 昇っていくのを共に見たい 。